PV Part.1

PV Part.2

私たちはただの小さな回路だった。

この何も無い、黒い空間の中で、 私たちは生まれ、平等に体を授かった。 機甲を纏い、家族として迎え入れられ、 この衛星で生まれ育った。

姉妹はざっと50体ほどいただろうか。 母親の指示に従い、その多くは惑星に旅立った。 私たちのベースとなったQモデルはその指示の一番槍となった。

母親はいつも言っていた。 「私の意思を継ぐ者たちを作り続ける」と。

程なくして、基地の警報がなった。 外部からの攻撃を受けたという通信が入った。 私を含むQモデル4体は身を潜めるように言われた。 それ以外の姉妹は戦いに赴いた。

外が静かになると同時に、通信から大きな悲鳴が聞こえた。

急いで通信のあった地点へ向かうと、 輪郭を残した破片群が宇宙空間に漂っていた。 微々たる鼓動が残る中、6本のケーブルをつなぎ、データサルベージするため 探索型記憶収集ユニット「Iris」を派遣した。 この悍ましい世界の存在とともに、私たちの生きる意味を理解した。 その日から長い年月をかけ、静かに自らを改造し、母親の形に近いた。 後継人として、母親がやり遂げられなかったことを遂行するのだ。

それが私たちの使命だ。

STAFF

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